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【第25回】 「自然」と「音楽」について ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.7

こんにちは 担当者 T です。

今日のテーマは、「自然」と「音楽」について。
ヨーロッパで考えたこと、のつづきです。


自然のことを表現した音楽は
世の中に多くあると思いますが、
そのなかでも比較的(だいぶ)昔のある音楽家が
そこの自然に大いにインスピレーションを得て曲を書いた、という場所に行きました。


「ある音楽家」とはこの人のこと。


beethoven1.jpg



小学生の頃、音楽の教科書で見た、気難しそうなこの顔。


beethoven2.jpg


そう。「ベートーヴェン」です。


ウィーンといえば、「音楽の都」というイメージがありますが、
ベートーヴェンも後半生をウィーンで過ごしています。

ベートーヴェンがインスピレーションを得た場所というのは、
そのウィーンの郊外にある

「ハイリゲンシュタット」

というところ。

heiligen.JPG


ベートーヴェンは、
ここの自然に感動を覚え、
《田園》という名を持つ交響曲を作曲しています。


この曲、ちょっと馴染みにくいイメージのある「クラシック音楽」のなかでも、
比較的親しみやすく、クラシック音楽入門の曲として聴くケースも多いと思います。
(もちろん単なる「入門曲」ではなく、傑作です。)

ちなみに、この《田園》という曲、
ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場(現存してます!)というところで初演されてから、
昨年の12月22日でちょうど200年になるそうです。
ベートーヴェンというと《運命》が有名ですが、
《運命》も《田園》と同じ1808年12月22日に
作曲者自身の指揮で世の中に登場しています。

《運命》冒頭の有名なあのメロディから受ける重厚なイメージとは対照的に、
《田園》は、名前の通り、穏やかそしてのどかにに始まります。

「ベートーヴェン」と聞いて、いかめしさだけイメージして聴かず嫌いしている方!
この曲を聴くとイメージが変わるはずです。

冒頭の音楽は、
「田舎に到着したときの晴れやかな気分」を表現しているといいます。

全曲(5楽章)通すと、40分程度の曲ですが、

・田園地帯の情景
・農民の踊り
・雷雨
・嵐の後の牧歌

など、いろいろな自然の情景やそこに集う人間の気分を表現した曲になっています。


そのなかで、「小川のほとりの情景」(第2楽章)という音楽があるのですが、
「ハイリゲンシュタット」は、その音楽のモチーフになったといわれている川が
にいまも残っていることで有名です。


ベートーヴェンの散歩道(Beethovengang)
DSC_1343.JPG

という小道の脇を流れるシュライバーバッハ(Shreiberbach)という小川がそれ。


本当にチョロチョロと流れる川です。
DSC_1368.JPG


ベートーヴェンは、この散歩道を良く散歩していたということです。

「ハイリゲンシュタット」は違った意味でもベートーヴェンに因縁深い場所です。

彼は耳が不自由だったというエピソードは学校の音楽の時間で習いましたが、
そのことに失望して遺書を書いた場所も、ここ「ハイリゲンシュタット」なのです。

肖像画で良く見るように、ベートーヴェンと言えば、
ボサボサの髪、というのが浮かびますが、
もともとは極めて社交的な性格で、良くモテたのだそうです。

それが、聴覚を徐々に失うことで、
閉鎖的になり、「音楽家としてもう終わりだ」と思われることを嫌って
人を避けるようになり、自然に憩いを求めるようになったとか。


実際に彼が遺書を書いた家、という建物がいまも残っていて
DSC_1336.JPG


「遺書」や「遺髪」の展示もありました。
DSC_1332.JPG



さきほどの、第2楽章「小川のほとりの情景」には、
かっこうやうずらのさえずる声が絶妙に表現されているのですが、
考えてみれば、
この曲を書いていた当時、
聴覚を失ったべートーヴェンには鳥たちの美しい歌声は聞こえていなかったのです。


曲を聴いているだけだと、
聴覚に障害がある作曲家が書いたとは到底思えなく、
ついつい意識しなくなりがちですが、
彼は作曲時、聞くことのできない鳥の声を想像して
五線譜に書き記したのだと聞いて
胸を打たれました。

そういった状況にあったベートーヴェンが歩いた散歩道と同じ場所を
歩いていると一層感動してしまいます。


DSC_1355.JPG

現在、周辺は(高級)住宅街にもなっているのですが、
朝は木漏れ陽が眩しく、
日中は近所の子供が母親に伴なわれて公園に遊ぶほほえましい光景が見られ、
陽が傾けば犬を散歩する人々が立ち話をし、
日が落ちる頃、家々に明かりが灯って家族が集まる。
地元の人の生活模様を感じることが出来ます。

そんな人々の生活の営みのすぐそばを
自然が溢れ、ゆったりとした空気が流れています。
その幸福な憩いと穏やかな雰囲気に浸りに、何度でも来たくなる場所です。


ウィーンの中心部から地下鉄で20分ほどのハイリゲンシュタット。
近くに行かれる際はぜひ訪れてみてください。

  ■以前にアルプスのことを書いたのでもう一曲だけ。  リヒャルト・シュトラウス 『アルプス交響曲』  曲は、アルプスの夜を表現した音楽から始まります。  暗く、静かな音楽です。    しかし、ほどなくすると音が厚くなっていき、  それまでの闇を一気に破るように、燦然とした太陽が現れます。     曲が始まって数分後に現れる壮麗な「日の出」と呼ばれる場面です。     この箇所を初めて聴いたとき、  あまりの迫力に呆気に取られました。    雄大なアルプスの背後から、輝かしい朝日が力強く昇る光景を思い浮かべることが出来ます。     普段クラシック音楽を聴かない方にもこの場面はおススメです。    
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【第24回】ふたたび 『木を植えた男』 のこと

新商品の発表後、長いことブランクをあけてしまいました・・・。
再度更新を開始するにあたって、
このブログの第1回の内容に関連した話題で再スタートしたいと思います。

第1回では『木を植えた男』という絵本を取り上げました。

このブログを書いているのが僕だとご存知の方からだけではありますが、結構な反響を頂きました。

「ストーリーもさることながら絵が素晴らしい。いい絵本ですね」
「環境に配慮した商品を担当している人のキャラクターがわかって興味深い」
など。

確かにこの本が読者に提供する世界観は印象深いものがあります。

今日は、その魅力にみせられ、実際に絵本の舞台を訪ねたご夫妻とその本を紹介したいと思います。

『木を植えた男を訪ねて』―ふたりで行く南仏プロヴァンスの旅 (講談社文庫)

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ご夫妻の名前は新井満さん・紀子さん。

新井満さんは、
・作家
・作詞作曲家(あの『千の風になって』を世に送り出した方です!)
・写真家
・環境映像プロデューサー
・長野冬季オリンピック開閉会式イメージ監督
など多彩な肩書きをお持ちです。

紀子さんも随筆家として活躍されていて、
ご夫婦で『アルプスの少女ハイジ』に触発されてスイスに訪ね、本を出版されています。

「ハイジ」を巡る旅の次に選んだのが、
『木を植えた男』の足跡を辿る旅というわけです。

舞台は南フランスのプロヴァンス。
僕は行ったことがないのですが、いつかは絶対行ってみたい場所です。
陽光眩しく、明るくひらけた海と豊かな土地。
ゴッホやマティス、セザンヌなど数々の芸術家も魅了されてきたと言いますが、
ニース、グラース、マルセイユ、エクス・アン・プロヴァンス...

これらの街の名前を聞くだけで明るいイメージが浮かびます。
日本ではどちらかというと女性に人気があるのでしょうか。

夫妻の本には、『木を植えた男』の作者であるジャン・ジオノの故郷、
マノスクという街を中心に記述がされています。

有名な観光地からはかなり離れるようですが、
本に掲載された多くの風景写真には眼を奪われます。

本では美しい風景を日常としている地元の人と著者夫妻の交流が綴られます。

ジオノのことを「世界的な大作家」と呼び、心から崇拝する人との出会い。

逆に、『木を植えた男』を「子供向けの絵本」と思わず言ってしまった人に
日本人の新井さんが腹を立てて考えを改めさせる場面、など。

それに、興味深いのが
新井紀子さんが『木を植えた男』から学んだという、

「幸福に生きるための4条件」

に関する記述。

これについては実際に本をお手にとってお確かめください。
育児に目処が立ち、両親も亡くす年頃になって
「これからの自分の役割は何だろう」と考えていた新井さんは
『木を植えた男』を読んで自分の役割を再発見し、
この「4条件」に考えるにいたったということです。


『木を植えた男』で受ける印象と重なる街と作者の足跡を辿る旅の書。
プロヴァンスへの興味をかきたてる案内の書にもなるかもしれません。

『木を植えた男』を読んだ方はもちろん、
フランスの田舎町の雰囲気にご興味がある方はぜひ!

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【第23回】 〈ブラビア〉新商品体験会

こんにちは、担当者 T です。

昨日、今月19日に発表した〈ブラビア〉新商品の体験イベントを、
世田谷ものづくり学校で開催しました。

新しい〈ブラビア〉は、

V5シリーズ

J5シリーズ

の2シリーズ。


昨年の夏に発売した32JE1では、
32インチの大きさで圧倒的な省エネ性能の商品をご提案してきましたが、
お客様の好評を受け、
今回のこの2シリーズによって
消費電力を大幅に下げた商品を大型から小型まで幅広く揃えることができました。


体験会では報道関係の方をお招きして、実際に新商品をご体験いただきました。
DSC05303.JPG
節約志向・環境配慮志向が高まるなかで、
ご来場頂いた皆様の評判も良く、
さっそく、色々な形で取り上げていただき、担当者冥利につきる思いです。

本当にありがとうございます。


ところで、新商品体験会と同じ場を使い、
この日の夕方から、ブロガーの皆さんもお呼びして、
「〈ブラビア〉低消費電力体験会」というイベントも開催しました。
(ご越しいただいた方の中には、会場に新商品が突然あったのでビックリされた方もいらっしゃるかもしれません・・・)

イベントでは、

◆普段、色々な電気製品を使っている中で、「テレビ」はどれくらい電気を消費しているか

◆テレビの消費電力を節電するには、どうすればいいか

◆V5・J5シリーズの省エネ機能の体験


などをご来場頂いた皆さんと考えたり話したりしました。

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「テレビの消費電力を節電する」ということは、

・電気代の節約

にもなりますし、

・エコ

でもあります。


会場には、
このふたつにご関心をお持ちであろう女性や主婦の方々も
大勢ご来場いただきましたが、(お忙しい時間帯にも関わらず、ありがとうございました!)

皆さん非常に意識が高いことに驚きました。


例えば、こんなクイズ。

Q.家のなかで使う電気製品のなかで、テレビが使う消費電力の割合はどれくらいでしょう?

①2.8%
②4.3%
③9.9%


正解は③なのですが、
皆さん、ほとんど正解でした。


消費電力を節約するテレビの使い方の極意を提案させていただいた、
節電術体験教室では、皆さんの真剣な熱気は最高潮!

皆さん本当に熱心に質問してくださり、予定時間を大幅に上回っての体験会となりました。


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「世田谷ものづくり学校」は、以前は本当の学校だった施設なので教室のような会場。 皆さん、小学校時代を懐かしみながら参加いただきました。

特に、V5シリーズに搭載された「人感センサー」は皆さんに大好評でした。
この機能、テレビの前に人がいなくなると、
自動で映像が消えて節電してくれる、というもの。


・テレビを見ていて、急に誰かが来て立ち話をしてしまったと

・うっかり寝てしまったとき

・テレビから離れたところで料理をしているとき
 (映像は消えても音は出たままなので、節電しながら、テレビ番組の音声をラジオのように楽しむことが出来ます!)

に便利な機能です。


昨日は、実際に電力計をつないで、
どれくらい節電できるかを体感していただきましたが、
映像が消えて、電力計の数字が半分になったときの
皆さんの驚いた顔、忘れません!



改めまして、
ご参加いただいたブロガーの皆様!
昨日は本当にありがとうございました。


商品を通じて実際お使いいただくお客様と
コミュニケーションが取れて、しかも皆様に盛り上がっていただける。
商品を担当する者として、この喜びに勝るものはありません。


〈ブラビア〉チームは引き続き、
皆さんと一緒に楽しむことのできるイベントを考えていきますので、
是非またご参加ください!

(トラックバックもお待ちしております!!)



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【第22回】 ゼメリンク鉄道  アルプス越えと景観保全に賭けた男の執念 ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.6

こんにちは。 担当者 T です。

更新が滞ってしまいました。

前回に引き続き、鉄道編2回目の今日は、オーストリアを走る鉄道について書きたいと思います。

今回の旅行では、ウィーンからオーストリア第2の都市グラーツに日帰り観光をする日を設けていました。


グラーツはウィーンの南西150kmに位置する、歴史のある美しい街。
ユネスコ世界遺産にも登録されていて、見所がたくさんあるのですが、
実は、今回の一番の目的はこの街を観光することよりも他にありました。


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グラーツはウィーン以上に時間がゆったり流れているような穏やかな街。 イタリアに近いせいか、明るい雰囲気が漂う。



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グラーツにあるパン屋さん。 創業1569年(!)、宮廷御用達と書かれている。 訪れた日は残念ながら休業中でした。



ウィーンからグラーツまでの道のりは、電車で2時間半。
その途上、「世界で初めて世界遺産に登録された鉄道」を走ることになるのですが、
その鉄道を実際に走って自分の目で見てみること、
これが僕の一番の目的でした。


鉄道の名前は、『ゼメリンク鉄道(Semmeringbahn)』


世界で初めて世界遺産に登録された鉄道だけに、
それにふさわしいドラマがこの鉄道にはあります。

この鉄道が世界遺産になっている理由は、
史上、初めてアルプス越えを成し遂げた鉄道だからです。
「アルプスを越えた世界遺産」とでもいえるでしょうか。

ところで、ヨーロッパの人にとって、
「アルプス越え」は特別な意味を持っている気がします。

古くから北と南を結ぶ要路にあるため、
多くの人々がアルプス越えをして行き交っていました。


史上、有名な「アルプス越え」としては、
古代ローマ時代、
ローマと戦ったアフリカの古代都市カルタゴの
「ハンニバル」という名将軍のエピソードをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。


彼は、宿敵ローマを倒すため、
ローマの北方に回りこんでアルプスを越えてローマに侵入します。
当時(紀元前218年のことです!)、
大軍を率いてアルプスを越えたというだけで私たちには想像もつきませんが、
なんと、このときハンニバルは、象をともなってアルプスを越えたのです。
(象の数37頭といわれています)
さすがにローマ市民も、よもや象が進軍してくるとは思わなかったでしょう。


それから約2,000年後、ナポレオンもアルプスを越えてイタリアに進軍します。
『アルプス越えのナポレオン』という、
颯爽と白馬にまたがって大きく前方を指差すナポレオンの絵を見たことのある方もいらっしゃることと思います。
(実は、このときナポレオンが乗っていたのは白馬ではなく、
ロバだったという説もあるようですが・・・)

300px-David_napoleon.jpg


アルプスの北方に位置するドイツやフランスなどの人々にとって、
アルプスを越えてイタリアに旅行することが特別なことで、
大きな憧れだったと聞きます。

ルネサンスの輝かしい文化が残り、
北方とはまったく趣の違う眩いばかりの陽光が燦燦と降り注ぐイタリアを目指して
多くの人がアルプスを越えていったわけです。
 

僕も一度、
鉄道でスイスからイタリアに入ったことがありますが、
イタリアに入った瞬間、本当に太陽の色と緑の輝きが一変して驚いたのを覚えています。
(この類の話は結構聞きそうな話ですが、
まったくおおげさではなく、
その変化には本当に目を見張ります。
昔の人がイタリアに辿り着いたときの喜びがいかばかりだったか、
想像に難くありません。)



さて、話をゼメリンク鉄道に戻します。
この鉄道が世界遺産たるもうひとつの理由。
鉄道の設計を担当したひとりの男の情熱が、
世界遺産という形で昇華したのだとも思えます。


男の名はカール・リッター・フォン・ゲーガCarl Ritter von Ghega (1802-1860)。
ヴェネチア生まれの天才土木技師です。

1841年、オーストリア政府は、
首都ウィーンから当時海軍の重要な軍港であったトリエステ(現イタリア領)をつなぐ
鉄道の敷設をオーストリア国鉄に命じます。

しかし、間に位置するゼメリンク峠は、当時馬車でしか越えることのできない難所。

オーストリア国鉄はゲーガにこの難事業を託すことになります。
産業革命を先に成し遂げたイギリスに必死で追いつこうとする当時のオーストリアの期待が、
ゲーガに重責となって圧し掛かります。

鉄道がアルプスを越える。
そんな奇想天外なことは誰もが思ってもみなかったこと。

この時代、まだ「ダイナマイト」というものが存在していません。

よって、岩や山をくりぬいてトンネルを掘るのは「手作業」。
アルプスの岩山を手作業で貫通させるなど、現在からは想像もつきません。
難事業以外の何物でもありません。


そのような時代に彼は、
わずか6年という歳月で全長41キロ、
高低差460メートルという鉄道を開通させたのです。
1854年のことです。
最高地点の標高は898m。
これは、当時、鉄道が到達できた最高地点です。

sl.JPG
完成直後はSLが走っていた模様。


工事は難航を極め、事故による死者は1,000人を越えたと記録されています。


そんなゼメリンク鉄道、
実際にウィーンから乗車して40分ほどすると、
アルプスの山々が見え始めます。

semmmering__1.JPG


どれだけ急な登山鉄道なのだろう・・・と心構えていると、
実際には、拍子抜けするほど緩やかな坂道を
ゆっくりと登っていきます。


ここにはゲーガのこだわりがあります。
彼は、難事業の負荷を出来る限り少なくするため、
傾斜がゆるやかで、
しかもなるべくトンネルを掘らなくて良い、
ベストなルートを探し当てることに腐心したといいます。


そのためにゲーガは、
夜も徹して測量をしながら山歩きをするという、
気の遠くなるような日々を過ごしたといいます。


現在、さして急な坂を上がらず、
いつのまにかアルプスを越えることができるのも
このこだわりゆえなのです。

ゲーガがこだわったもうひとつのこと、
そして、同時に、この鉄道がいまも高く評価されるひとつの大きな要因。

それは、(このブログの趣旨にあてはまることなのですが)
「アルプスの持つ景観と鉄道の調和」です。


近代を象徴する鉄道というものを、
古来美しい自然を抱くアルプス一帯に溶け込ませること。
これが彼の信念でした。

この思いを達成するためにゲーガは、
鉄の使用を極力拒否したといいます。
(このため、鉄鋼業界にバッシングを受けていたとのことです・・・)

代わりに使用したのは、
8万個の岩と6,500万個のレンガ。
想像もつかない数。

この執念が結晶してできたゼメリンク鉄道を走ると、
古代ローマの水道橋を思わせるような高架橋を多く見ることができます。

semmmering koukakyo.JPG


これが彼のこだわりの証です。

「自然との調和」は見事に達成され、
石造りの高架橋は美しい光景にアクセントを加え、
鉄道は、まるでアルプスの風景の一部のように感じられます。


鉄道開通は、ゼメリンクを山岳リゾートの先駆けと呼ばれる一帯に変えました。

都市では石造りの家に住み、山では木造の家に住む。
これが当時の先端の生活スタイルとされ
ゼメリンクは「ウィーン人のバルコニー」と称されるようになったということです。

僕が訪れたのは10月下旬。
既に吐く息が白くなるような気候でしたが、
雄大な景色と澄んだ空気に心を洗われる思いでした。


夏はいまもハイキング客でいっぱいになるといいます。
ウィーンから1時間、
手軽にこの雄大な景色と気持ちのいいハイキングを味わうことができる。
なんという贅沢でしょうか・・・


恩恵をもたらしたゲーガは、
工事中より、結核に悩まされ、
58歳の生涯を閉じます。

が、彼の鉄道は、
開通後150年たったいまでも、
大きな改修もほとんどないまま現役として使用されています。
(これだけの長期間、大改修なく現役で使用されている鉄道は他に類をみないのだとか。)

今回、乗車したのは
偶然にもウィーンとゲーガの生地ヴェネチアを結ぶ便でした。
彼の鉄道が、現在でも使用され、
電車で8時間はかかるウィーンと彼の生地と結んでいると思うと
感慨深いものがあります。

DSC08926.JPG


ゲーガは、

「鉄道によって、隔たりはなくなる。物が動き、文化が高められ、広まる」

という言葉を残したということです。
産業貢献のほか、多くの人の余暇を彩った歴史、
そしていま、
極東の島国からやってきた僕のようなものですら、
縦横無尽に旅し、感動を享受できるようになっている事実が、
彼の言葉の重みを実感させます。


鉄道の開通を伝える当時の新聞は、
彼の成し遂げた大事業に惜しみない敬意を払い、こう報じたといいます。

― もはや、山にかけられない鉄道はない。
          川にかけられない橋はない ―

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【第21回】 ウィーンの地下鉄ってエコ? ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.5

こんにちは。 担当者 T です。

ウィーンは観光名所を巡るには非常に旅行しやすい街です。
程よく街が小さく、中心地にある名所はその気になればどこも歩けてしまいます。
しかも治安も良いので基本的には安心。

街中のアクセスを良くしている市民の公共交通手段は、

・トラムと呼ばれる路面電車
・U-Bahnと呼ばれる地下鉄
・S-Bahnと呼ばれる郊外電車

の3つ。

ウィーン市内であればこの3つで充分事足ります。


今日テーマにするのは、U-Bahn(地下鉄)です。


下の写真はU-Bahnの扉。

DSC_1318.JPG


男性が手をかけようとしていますが、
取っ手がついているのが特徴です。


取っ手の上には、

"kurz ziehen (鋭く引く)"

と書かれています。

要するにこの扉、

駅に着いたら扉のロックが解除されて、自分で開ける、いわゆる半自動式になっているのです。


日本でも寒冷地では半自動式の扉を見ることができますが、
この扉の取っ手は変わっています。
見た目も変わっていますが、
これが慣れない者にとっては少々曲者。

扉も重く、コツを掴むまではなかなか開ける事が出来ないのです。
最初はうまく開けられず、地元のウィーンっ子に開けてもらっちゃうことも・・・。
(最新式の車両になると、自動ボタンを押す方式にかわっています)


逆に、慣れてきて難なく開けられるようになると、
こんなことでも、少し得意気になったりします。


と、思ったのも束の間。
油断していると、今度は扉が閉まるときに驚かされることになるかもしれません。


閉まるときは開けた扉が一斉に自動で閉まるのですが、
閉まる勢いが半端じゃない。

「ガーン!!」

と大きな音を立てて閉まります。


ウィーンでは日本ほどの満員電車を見ることはまずありませんが、
油断していると勢い良く閉まる扉に驚かせることになるかも(?)


いずれにしても、半自動式のこの扉、

・すべてが自動ではないという点で省エネルギーなのでは・・・?


・必要なときだけ開くので空調の効率を上げているという点でエコなのでは・・・?

と思わせます。

とりわけ、冬は非常に冷え込むので、
車内の暖房効率を上げることに大きく貢献しているに違いありません。


次回も鉄道の話を続けてみたいと思います。
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【第20回】 ベルリンの街の環境 ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.4

こんにちは、担当者Tです。

今回の旅行では、ベルリンにも1泊滞在したことは前に触れましたが、
今回はベルリンの街で感じたことについて書いてみたいと思います。

「ベルリン」
この響きで僕が連想するのは、この街の激動の歴史です。
第二次世界大戦後、「ベルリンの壁」を境に東西に分断された街。

「ベルリンの壁」という単語が物心着いたときには既に刷り込まれていて、
歴史に翻弄された街、というイメージがあります。

この街の歴史の記憶は、至る所に残されています。

ベルリンの壁の跡や、
東西分裂時の資料を展示する博物館、
戦争終結後につくられた、平和への祈りが込められたモニュメントなどです。

旧東ベルリンの建物の一部には、
塀にベルリン市街戦の際のものと思われる弾痕も確認することが出来ます。

いずれにしても、南欧の明るく軽やかなイメージとは対照的な、
重厚さを感じさせる街(というより、場所によっては、負の歴史の重圧すら垣間見える)というのが僕の印象です。

そんなベルリンも、「壁」崩壊後は、首都に返り咲き、
冷戦終結後20年が経とうとしている現在でもなお、
街の中心部に有名建築家による新しいビルが次々に建設され、
現代的な街へと生まれ変わろうとしているパワーを感じることができます。


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「ベルリンの壁」があったブランデンブルク門。旧西ベルリン側から撮影。 現在では分断の歴史が嘘のように難なく通行できる。


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門をくぐって旧東ベルリン側からも撮影。



ベルリンは人口350万人のメガロポリスですが、
面積は、人口860万人を擁する東京23区の1.4倍です。
道路は広く、緑が溢れ、湖すら擁し、街がきれいに整備されている印象を受けます。


混迷の歴史をバックグラウンドに背負っていながら、
いま作られている街は非常に整然としている。


きわめて雑然とした歴史と、
それを払拭しようとしているかのように作られた街の整然さが同居していて興味深い街です。


ベルリンに次々に建設される
現代的、かつ人工的なデザインの建築も、
雑然さと整然さが入り混じっているせいか、
個人的にはどこか息苦しさを感じてしまうのですが、
このような背景を持っているベルリンにはなんとなく似合ってしまいます。



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近代的な建物に囲まれながらも、緑に覆われたちょっとした広場が多い。



今回の旅行では、偶然にも、そんなベルリンを代表して街の美しさを語ってくれる人に出逢いました。

それは、たまたま乗ったタクシーのドライバーで、イラン出身だという男性。

ちなみに、話は脱線しますが、
旅先でタクシーを利用したら、
運転手と会話しないのは非常にもったいないというのが僕の考えです。

バスや電車の利用でも地元の人の様子を観察することは出来ますが、
直接話をするということはあまりありません。

その点、タクシーのドライバーとはゆっくり会話が出来る。

ドライバーのほうから、
「どこから来た?」
とか、
「日本人か?」と会話を切り出してくることもありますし、
そうでない場合でも、
こちらから積極的に会話を切り出すべきです。

「明日は天気どうなるか知ってます?」
でも、
「名物料理の美味しいお店を知ってますか?」
でも、何でも良いのです。

その国の言語が得意でなくても、
ドライバーの反応があまり良くなくてもまったく気にすることはありません。

タクシードライバーから思わぬ情報を引き出すことができることがあります。
なにより、外国に行ったらその土地の人と交流しないともったいない。

タクシードライバーは、日々色々な人を乗せ、
その人を見たり話をしたりする中で、
彼らなりの目線で世相を観察しているように思えます。

こちらが知らないようなことを思いがけない視点から見ていたりするものです。

日本でタクシーに乗っても、ドライバーから楽しい話を聞けることがありますが、
「タクシードライバーには物知りが多い」というのは、
万国共通なのではないか、という気がします。

さて、ベルリンで出逢ったドライバーの話です。
その男性は、僕が日本人だということを見抜き話を切り出しました。

「俺は世界中50の国を旅して歩いたんだ。
おまえの国も東京・京都・大阪に行ったぞ。
世界には色んなキャラクターを持った街があるなー。」

50ヶ国。凄い。かなり豊富な旅経験の持ち主と見ました。

そこで、
「どこの街が一番好きか」と尋ねると、
彼は居住まいを正すようにキッパリと応えました。

「ベルリン!ベルリンだ!ベルリンが最高だ。」

理由を尋ねると、
「働きやすいし、街がきれいだ。おれはこの街に誇りを持っている。
知ってるか?ベルリンには50万本の街路樹があるんだが、
これらはナンバリングされていて、健康状態はしっかり管理されてるんだ。」

これには驚きました。
この街の大通りがきれいに見えるわけです。

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ベルリンのブランドストリート Kudamm (クーダム)


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なんということのない路地裏でも整然としている。

ベルリンの環境に配慮する姿勢はこんな数字からもわかります。
「2010年までに二酸化炭素排出量を1990年比25%削減する」

これは、
ロンドンの「2010年までに1990年比20%削減」
ニューヨークの「2018年までに1990年比10%削減」
と比較しても突出しています。


外国のこういう見習うべき点に気付くと、
「自分の国はどうか」と見直す新しい視点を得ることが出来ます。
外国のことを知ることで、自分の国に対する意識が高まったり、自分の国のことも良く知ろうという思いが起きます。

これも旅行をすることのメリットのひとつかも知れません。


追記1‐ベルリンの景観保全を語るもの①

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ベルリンの中心街にあるカイザー・ヴィルヘルム記念教会。 ヴィルヘルムI世とビスマルクにより成立したドイツ帝国を記念して、1895年に建てられた教会。 現在、ぼろぼろに破壊された姿になっている これには理由がある。 第二次世界大戦中、度重なる空襲により甚大な被害を受け、この状態に。 戦後、旧西ベルリン市が、「戦争中の悲惨さを忘れることがないように」、 中心部分を碑として破壊されたままの姿を残したというのがその経緯。

追記2‐ベルリンの景観保全を語るもの②

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ベルリン市内で見ることのできる信号機。 「アンペルマン」と呼ばれる人の形が普通の信号機で使われているものより愛らしい。 旧東ベルリンで使用されていたもので、 東西統一後、旧西ベルリンの信号に統合される中で、廃止される流れにあったが、 ベルリン市民がおこした「アンペルマンを守れ」運動のおかげで現在も見ることができる。
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【第19回】 「長く使うということ」について ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.3

こんにちは、担当者Tです。


環境に配慮してものを使うという意味で良く話題になる概念として、

・ リデュース(資源を使わないようにする)
・ リユース(再利用)
・ リサイクル

がありますが、

「一度使い始めたものを長く大切に使うこと」、

これもエコにつながる考え方だと思います。

休暇中の旅行について綴っている第3回目の今回は、
旅行中に出逢った、「長く使われているもの」に焦点を当ててみたいと思います。

ウィーンはローマ時代にまで遡ることが出来る古い街。
なにより、マリア・テレジアやマリー・アントワネットといった人々で知られるハプスブルク家の帝都として有名でしょう。
ヨーロッパの主な都市と同様、長い歴史を持つ街です。

街全体がユネスコ世界遺産に登録されているわけですが、
当然、歴史的建造物が多く、目的なく街をそぞろ歩いているだけで最高な気分に浸れます。

日本の歴史的建造物は世界に誇るべき木造建築が中心ですが、
こちらの建造物は石造りが中心で、重厚な建築群に圧倒されます。



stephan_all.jpg
ウィーンのシンボル・シュテファン寺院。 オーストリア最大のゴシック建築。現存する最も古い部分は13世紀の建造。



hofburg.jpg
王宮(Hofburg) 650年以上にわたってウィーンの盛衰を見つめてきたハプスブルク家の宮殿。 さすがに堂々とした威容を誇っている。 敷地は広大で、18棟もの建物からなる。現在では多くの博物館が入っている。



gijidou.jpg
国会議事堂(österreichisches Parlament) 。 ギリシャ神殿のよう・・・!




rathaus.jpg
ウィーン市庁舎(Rathaus)




「それにしてもどこからこんなにたくさんの石を持ってきたのか・・・」
余計なことに思いをめぐらせてしまいます。




それでは一般市民の住宅はどうでしょう。

ヨーロッパの住宅は耐用年数が長く、
長く使っているものでも価値が高い住宅が多い、
というようなことを耳にすることがあります。

ウィーンの住宅はどうか、というと、
やはり堅牢な石造りの建物が多いのですが、
古い建物と比較的新しい建物に大別することができるようです。

・Altbau (アルトバウ:「古い建物」という意味)
・Neubau (ノイバウ:「新しい建物」という意味)

という分け方です。

「アルトバウ」は第二次世界大戦時期より以前に建てられたもの、
「ノイバウ」のほうは第二次世界大戦時期以降に建てられたもの、です。

「ノイバウ(新しい建物)」とはいっても、
古いものだと60年も前のものなわけですから、
日本の住宅の感覚からすると、基準がまったく違います・・・。

「アルトバウ」になると築100年、というのもざらにあるわけですが、
一般に、「アルトバウ」は「ノイバウ」よりも壁が厚く、
天井が高く間取りも広いので、ひと部屋がかなり広く感じられます。

築年数は古くても、
整備された「アルトバウ」ともなると人気が高く、
「ノイバウ」よりも家賃が高くなるというから驚きます。


mozart.jpg
モーツァルトが人生の絶頂期に住んでいた住居。 ウィーンの中心地にある。 天井が高い!


ウィーン滞在中は、ウィーンの中心部に位置するホテルに逗留していたのですが、
ここも歴史ある建物に見受けられました。
といっても建物は堅牢そのもので清潔。
快適に過ごすことができます。

ところで、この歴史あるホテル、
エレベーターも年代物でした。


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だいぶ古そう・・・。

このエレベーター、ちょっと変わっています。
まず、扉がガラス張りになっていることがお分かり頂けると思います。
中が見える構造です。


さらに、後ろにまわりこむとわかるのですが、
エレベーターの箱とロープがむき出しになっています。
elevator_hako.jpg



階段が螺旋状になっている中央の空洞部分を
エレベーターの箱とロープが通っていて、動いているのが見える構造になっているのです。
elevator_rope.jpg


そしてこのエレベーター、止まるときに大きな音を立てる。
相当年季が入っていることを窺わせます。

初日にチェックインときは、面白がって見ていましたが、
さすがに、たまにはこういうこともあるようで・・・・


out_of_order.JPG

故障中・・・。

階段の上り下りを余儀なくされました。
このあと、程なく復旧しました。

「来年変える予定・・・!」とホテルの人が苦笑いして言っていました。

しかし、これはこれでたいそう愛嬌のあるエレベーター。
何の変哲もないエレベーターが備わっていたら、
なにも印象に残らなかったはずですが、
年代物のエレベーターのおかげで滞在中の楽しみが増えたというもの。
旅の思い出がひとつ多くなって得しました。

建物も、中の設備も、長く使う。
そんな姿勢に気付く場面が多かった旅行でした。

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【第18回】 飛行機と空港のエコ ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.2

こんにちは、担当者Tです。


遠くへ旅行するとなると、飛行機や空港のお世話になることになります。

今回は飛行機と空港についてです。

僕は飛行機がかなり好きです。
空港に行くだけでワクワクした気分になるというものです!


20081025-26ドイツ旅行 152.jpg

飛行機が苦手な人というのも多くて、
揺れるのが嫌だ・・・と仰る方も僕の周りにはいらっしゃいますが、
僕は、航行中揺れても、結構(というか全然)平気なほうです。

今回の旅行では、
一度だけウィーン-ベルリンを往復する機会があったのですが、
比較的短い区間を移動するときには、
小型の飛行機に乗ることになります。

DSC08788.JPG


小型だと不安を覚える人がいらっしゃると思いますが、
これも、結構楽しいものです。


ターミナルの出口からバスで飛行機の側まで行って、
地上から直にハシゴで乗り込む感じです。

DSC08790.JPG

今回もそうでしたが、外国の地どうしの区間だと、日本人は自分ひとりだったりする。
これはこれで、「異国の地に来た」という実感が湧いて、
それだけで気分が良くなります。

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さて、飛行機を乗るにあたって、ときどき話題になるのが、

・「窓側派」

か、

・「通路側派」

か、というポイント。

特に、海外旅行でフライト時間が長くなるときは
どちらをキープできるかは人によっては重要なポイントなのではないでしょうか?

皆さんはどちらがお好みでしょうか?


僕は、いかなる場合においても断然、「窓側」です。

なぜなら、景色をじっくり見たいから。



「通路側」を好む方の主な理由は、
「トイレに行くときなど席を出やすいから」だと思います。

これは、確かに「ご最も」です。

長時間フライトでトイレに行かないことはまずないでしょうし、
席を出たいときに限って隣の人が眠っていて、恐縮してしまうもの。


こんなケースです。
あなたは窓際に席をキープしています。
長いフライトで食事の後トイレに行きたくなりました。
隣の席を見ると、体の大きい方が座っていて、しかも眠っている・・・。


こういう場面、結構ありませんか???

こういうとき、なかなか外に出にくいものです。


それでも僕は「窓側派」。
飛行機からの景色を見ることには代えがたい。


離着陸の際に外の景色を見るのは必須です。
窓側をキープできたとしても、
離着陸前後の旋回時、飛行機が傾いて自分が座っている側の翼が上がって窓から空しか見えず
街の景色が見えないときが良くありますが、
そういうとき、物凄く残念な気持ちになります。

離着陸時に見える街の景色を眺めると、
なんとなくその街の作られ方や表情がわかる気がします。


例えば、
道路が幾何学的な模様を作っているのが空から見えると、
この街はしっかりとした都市計画の元に作られた街なのだな、と考えたり、
中心地からそこまで離れていない一帯に畑が広がっていれば、
この国は農業国なのかな、と思いを巡らせたりするわけです。


hatake.JPG


航行中も、いまどの辺りの上空を飛んでいるのか気になって、
モニターに映される地図をついつい眺めがち。

視界が良好で観光で訪れたことがない大河などが見渡せると、いい気分。
気付いて良かった、と思えます。



今回の旅行でもだいぶいい景色を見ることできましたが、
そのなかのひとつが、
日本帰国途中の夜空です。


DSC08989.JPG


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地上から見る月とはまったくの別物です。
地上で見るより澄んでいて神秘的。
景色の透明感が断然違います。
あまりに透き通った景色。
その次元の違う透徹感に怖さすら覚えるほどでした。

しかも、月が自分と同じ高さにあるように見えることに驚きました。

この光景にしばらくの間、釘付けになりました。


飛行機から外を眺めると、ときどき、そんな幸福な偶然に巡り合います。


真っ暗になってオリオン座も見ることができましたが、
あの大きなオリオン座が、自分と同じ高さにあるように見えるのです。

地上からは、あんなに頭上高くに、そして遠くに見えるのに。


さらにもうひとつ。

日本のフライトでは、
富士山が眼下に見えて、その威容に感動することがありますが、

今回、昼間のフライトでは、
本場のアルプスを見ることができました。

DSC08986.JPG


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フライト中は思いもかけない景色を見ることができます。

ときどき窓の外を見てみる意識をするだけでも、だいぶ違いますので是非皆さんも!



いきなり話が脱線してしまいましたが、
テーマは「飛行機と環境について」です。

出張でも飛行機に乗ることがありますが、
そのたびに耳にするのが、航空会社の環境活動。


飛行機がどのくらいの燃料を使うのか調べてみると、
たとえば、羽田から札幌まで飛ぶ場合、約13,100リットルの燃料を使うとのこと。(ボーイング747の場合)
これは、ドラム缶で約70本、満タンの自動車220台分という量です。

そんな飛行機も、
技術の進歩で、燃料効率は飛躍的に改善されていて、
たとえば、新型のボーイング777は、旧型の747に比べて最大で37%もCO2の排出量を減らせるとのこと。

(以上、JALのホームページより)

他にも、航行経路や離着陸時の工夫によって、
燃料削減の取り組みがされているようですが、
そんななか、空港でこんなものを発見しました。


20081113210737.jpg


「空港ターミナルの全てのエスカレーターは
CO2を排出しない
自然エネルギー「グリーン電力」で動いています。


前回のこのコラムで、
「グリーン電力証書」のことと「グリーン電力証書」を使った〈ブラビア〉のキャンペーンについてご紹介しましたが、
空港も、「グリーン電力」を使うことでCO2を排出させずに
エスカレーターを動かしいるということです。


空港はその国や土地の玄関口。

空港や、そこから中心地へ至る道と景色は、違う国や違う土地から来た人に、
その国や土地の第一印象を与える重要な場所だと僕は思っています。

そんな空港でも環境活動が積極的に展開されていたというわけです。

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【第17回】 グリーン電力のこと ~ヨーロッパ旅行で考えたエコ vol.1

こんにちは、担当者Tです。

だいぶブログの更新の間を空けてしまいました。

実は、長期で休暇を頂き、ヨーロッパに旅行をしていました・・・!


今回の旅行は、オーストリア(ウィーン)を中心にまわったのですが、
旅行中も、「環境」のことを感じることができる場面がありました。

そこで、今回からの数回はそのことを書いてみたいと思います。
 (せっかく旅行に行ってきたので、旅行の情報も少し織り交ぜながら・・・!)

突然ですが、皆さん、下の写真に写っているものが何かおわかりでしょうか?
少し見えずらいかもしれませんが、写真中央に写っている白い物体です。
(到着の日はあいにくの曇り。ウィーンは、気温的には北海道と同じような寒さで、雨こそ少ないものの、秋~冬にかけては曇天が多いようです。)

DSC_1294.JPG




答えは、「風力発電をするための風車」です。
「なんとなく目にしたことがある・・・」という方も多いのではないでしょうか?


日本からウィーンまでは直行便が出ています。
飛行機はウィーンの玄関口・シュヴェヒャート空港に降り立ちます。
空港からウィーンの中心街まではリムジンバスで30分ほどなのですが、
この写真は、そのバスの中から撮影したものです。
(すみません、高速道路を走るバスの社内から撮影したので少々動きのある写真になってしまっていますが・・・・)

つまり、場所としては、
ウィーン中心地の近郊です。

ウィーンに降り立ってすぐに、このような光景を見ることができたわけですが、
その後も、いたるところにこのような風車を目にしました。


ここにも。
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あそこにも。
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さらには群れを成して・・・
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ここにもまた・・・。

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ウィーンからザルツブルク(モーツァルトが生まれた街として有名です)方面に向かう電車の中から撮影したものです。

いずれも、ウィーンを出発してから、30分もすると見れる光景。

電車の車窓からぼんやり外を眺めているだけでも、
しかも、写真が撮れただけでもこれだけ発見できるわけです。

群れを成している風車は圧巻ですらありました。

東京に住んでいる私としては、
今まで、こんなに風車を見ることはありませんでした。

そこで、調べてみると、
オーストリアは非原発保有国で、風力発電を促進しているようです。

隣国のドイツに至っては世界の風力発電量の1/3を発電しているとのこと。
すごい。



風力発電のいいところは、地球上の二酸化炭素を増やさずに発電ができるところです。

このように発電された電力のことを、「グリーン電力」と呼んでいます。


では、この「グリーン電力」、
住んでいる地域でグリーン電力を発電していなければ使用できないかというとそうではありません。

「グリーン電力証書」という証書を買うと、
買った分の電力量の「グリーン電力」を消費したことになります。

二酸化炭素を排出しないで発電した電気を使用することで、
環境保全に貢献することができるわけです。

実は、この「グリーン電力証書」を利用したキャンペーンを
11月6日から始めました。

〈ブラビア〉JE1シリーズ「グリーン電力証書」プレゼントキャンペーン
http://www.sony.jp/bravia/green/

がそれです。


業界NO.1の低消費電力*であるKDL-32JE1をお買い上げいただき、
カスタマー登録いただいたお客様に、
JE1の年間消費電力量である86kWh分のグリーン電力証書をプレゼントするというキャンペーンです。

これにより、
JE1をご購入後1年間は二酸化炭素を排出せずにテレビをご視聴いただくことができる、というわけです。

せっかく消費電力が低い〈ブラビア〉をブラビアを選んでいただいたのだから、
電気もグリーンな電力を使用していただきたい、
「グリーン電力」や「グリーン電力証書」という仕組みについても知っていただきたい・・・

というのが、キャンペーンを企画したチームの思いです。


2009年1月18日までの期間限定のキャンペーンにはなりますが、
ぜひ、皆さんにもこのキャンペーンにご賛同頂き、環境に配慮したテレビ生活を送っていただければと思います。


DSC_1600.JPG
夕陽を浴びる風車も発見。


*2008年6月17日現在、日本国内で発売されている32V型デジタル液晶テレビにおいて




追記1
実は、ソニーは「グリーン電力証書システム」の構築に参画した企業で、
グリーン電力の普及を推進しています。
「グリーン電力証書システム」についてもう少し詳しく知りたい方もこちらをご覧ください。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/eco/site/reduce/report02_1.html


追記2
モーツァルト生誕の地ザルツブルクから程近い場所に“アニフ”という町があります。
(ここは、アルプスの山々を間近に臨む、物凄く美しい村です! クラシック音楽がお好きな方は、20世紀の指揮者カラヤンの自宅がある場所としてお聞きになったことがあるかもしれません。)
ここに、ブルーレイディスクを生産しているソニーの工場があるのですが、
この”アニフ工場”は100%グリーン電力で稼働を実現しています。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/eco/site/reduce/06.html


追記3

風車を撮影したウィーン-ザルツブルク間の車窓には、
風光明媚な景色が広がります。


DSC_1428.JPG


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DSC_1480.JPG


ウィーンからザルツブルクに向かって、
進行方向右側の座席をキープすることをおすすめします。



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【第16回】 カーボンフットプリント

最近、「カーボンフットプリント」という言葉を耳にする機会が出てきました。

この言葉の意味は、
商品のライフサイクル全体で発生する二酸化炭素の排出量を商品に重量のかたちで表示するというものです。

「商品のライフサイクル」と一言で言っても、
原料の調達、製造、加工、包装、輸送、購買、消費と多くのプロセスがあります。
そのプロセスで排出される二酸化炭素排出量を明示するのですから相当なものに思えます。

以前、日経新聞の一面トップに
 「商品にCO2排出量表示 経産省 小売大手と連携」
という見出しが出ていました。
記事によると、経済産業省が小売民間企業と連携し、
カーボンフットプリントの普及に向けた取り組みを進め、来年度にもその制度を開始する、ということです。

徐々にこのような動きになっていこうとしているようなのですが、
そんな中、既にこの取り組みを実践している商品を発見しました。


「環境問題に関心が強そうなアーティストは?」と聞かれて
坂本龍一さんを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?


その坂本龍一さんと細野晴臣さん、高橋幸宏さんで組んでいるユニット「HASYMO」の
「The City of Light/Tokyo Town Pages」というCDが、今回紹介したいものになります。
(ちなみに、今年2008年はYMO 結成30周年にあたります!)

DSC00093.JPG


・「The City of Light」はTBSテレビ系『NEWS23』エンディングテーマ

・「Tokyo Town Pages」は、ビターズ・エンド配給映画『TOKYO!』エンディングテーマ

になっています。

ここで紹介しようと思った理由は、曲自体のこともさることながら、
パッケージに写真のような文字が書かれているからです。

DSC00094.JPG

「本商品はカーボンオフセットCDです。このCDが生産・流通・販売によって排出する/したと推定されるCO2(=1枚あたり合計2.04kg)は、
高知県梼原町のmore treesの森が吸収するCO2によって相殺(オフセット)しています」

坂本龍一さんは、
森つくりを通じたカーボンオフセットを提唱する
「more trees(モア・トゥリーズ)」という活動も牽引していて、
その団体が梼原町で育てている森を使って二酸化炭素を相殺しようというわけです。
http://www.more-trees.org/

もう1枚CDを。

今年6月にNHKで、地球エコプロジェクト「SAVE THE FUTURE」という環境をテーマにした番組が放映されていました。

http://www.nhk.or.jp/savethefuture/

女優の藤原紀香さんがパーソナリティとなって、
地球温暖化問題について考えたり、
身近でできるエコライフを紹介するという番組でしたが、
そこでイメージソングとなっていたのが、
alanさんという歌手の「懐かしい未来~longing future~」という歌です。

DSC00092.JPG

alanさんは中国四川省出身の歌手です。
チベット民族である彼女は、幼い頃から歌と二胡を習っていたそうで、
この歌でも抜群の歌唱力と、やさしい二胡の音色を披露しています。

この曲は坂本龍一さんがプロデュースしていて、番組ではピアノ伴奏でも参加していました。

このCDにも、

本商品は”カーボンオフセットCD”です。このCDが生産・流通・販売によって排出する/したと推定されるCO2は、高知県梼原町の「more treesの森」が吸収する二酸化炭素によって相殺(オフセット)されています。

という表記があります。

・環境活動に取り組むアーティストが、
・環境番組のテーマソングをプロデュースし、
・CDもカーボンフットプリント+カーボンオフセットの概念を取り入れている、

という3拍子揃ったおもしろい活動だなと感じました。

これから、「カーボンフットプリント」の考え方が広がって、
より多くのCO2排出情報を目にする機会が増えてくるかもしれませんね。
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